スティーブ・ジョブズ氏の軌跡と託された想い
(cnet.com)
私自身はApple製品をほとんど使ったことがないんですが
それでも彼の発言や存在感は大きかったですね。
IT系のジャーナルは彼が何かいうとすぐ取り上げるので
ジョブズがああいったこういったというような記事は
昔からかなり頻繁に目にしてた気がする。
AppleはPC部門ではMSに完全にしてやられたわけだけど
Windowsが急速に大衆化した95の時代には
実はジョブズ氏はAppleにいなかったんですよね。
Macintoshの事業に失敗した1985年に一度辞職していて
彼がAppleに復帰したのは1996年。
そのあたりから、iMac、iPod、iPhone、そして iPad と
矢継ぎ早に今のAppleを代表する商品を発表してる。
その仕掛け人がジョブズ氏であったことは明らか。
とはいえ、彼が人間的にデキた人だったかは、
見る人によっていろいろ評価が分かれるようですけど。
人間的にどうかは置いといて
技術者、経営者としての彼の才能は突出していたと思う。
逆に、そうしてぶっ飛んだ人というのは
普通の感覚ではない部分がどこかにあるんじゃないかな。
普通の…というか、並ではないというか非常識というか。
CUIしかなかったコンピュータでGUIを普及させたのも、
技術者用だったコンピュータを家庭に持ち込んだのも、
テープや光ディスクだったプレイヤーをメモリベースにしたのも、
携帯電話やPCを全面タッチパネルにしちゃったのも、
それらが出た当時では常識破りに近い行為だったはず。
Macはちょっと先行し過ぎて撃沈したけど、
1998年以降は時代が追いついてきたということもあってか
良い具合に当たり続けてた感じに見えます。
どの概念もジョブズが最初だったわけじゃないけど、
成功できたのは売り方が上手かったんだと思いますね。
例えば、タッチパネルを採用した携帯端末は
PDAや携帯電話として既存製品があった。
でも、それらはあまり売れず流行ったとはいえない。
でも、iPhoneは売れた。
私は以前、とあるPDA端末を持ってたんですが、
まずその時代3Gがなかったというのはあるんだけど
それより何より、どの機能をどう使って良いのか、
使い方を把握するまで四苦八苦した記憶がある。
その端末に機能がいろいろあるのはわかるんだけど、
例えばスケジュール表を引っ張り出すのに、
メニューの機能のカレンダーのスケジュールの…
みたいにたどって、やっと目的のものを探し当てて使える
といった感じで、それを小さい画面でやるわけだから
操作するだけで疲れてしょうがない。
その点、iPhoneの場合は
画面のアイコンを1度タップするだけですよね。
より直感的、かつ少ない操作で目的が果たせる
というだけのことだけど、この発想がコロンブスの卵というか
機能ばかり追い求めていた並の端末メーカーでは
永遠にできなかったことなのかもしれない。
機能は、あっても使えないと意味がない。
今のApple製品って、基本的にはどれも
そういう思想でデザインされている気がします。
高性能、高機能、高カスタマイズ性を捨てて、
より簡単な機能をよりスマートなUIで提供する、と。
iMac も iPod も iPhone も、ハードの処理能力の大半を
機能自体よりもUIの方に裂いてるという感じがします。
どれもヌルヌル動きますよね。
ジョブズ氏がすごいと私が思うのは、
例えば、携帯端末にタッチパネルという
ハード的には過去にマーケットで失敗しているものを、
もう一度使おうという、その勇気と発想力です。
そこには、俺なら上手くやれる!という
ある意味では傲慢さも必要かもしれない。
そのくらいでないと、ジョブズ氏のような成功は得られない
ってことなんだろうなぁ。
彼の人生からは何か学びたいと思うんだけど、
ちょっと豪快過ぎて私にはどれも真似できそうにないです。
それにしても、56歳は若い。
もし元気だったら、今後もどんな商材を持ってくるか
いろいろ楽しみな人だったんですけどね。
これからAppleはどうなるのかなぁ…。