20世紀少年、1~16巻。やっと来ました。まだ読み終えてませんが。
この作品、実はもっと前にその存在を知っていたんですけど、前というのは、もうスピリッツに連載開始される前にね。そのときの私は、同じ浦沢直樹さんの「MONSTER」という作品を単行本で追いかけていた最中で、そんなときに、何気にコンビニで手に取ったビッグコミックで、浦沢作品新連載!という触書を見たんですよ。確か、そのときMONSTERの方もまだ完結してなかった。
つまり、浦沢さん、2つの連載作品を同時に描いてたわけね。他にも描いてたかもだけど、知る限り。そのパワーだけで恐れ入ったもんですが。
正直、その新タイトル、「20世紀少年」というのが、あまりパッとしなかった、というか、読みたい!と思うようなタイトルではなかったんですね。予告広告の書き下し見ても、本当にガキんちょ数人が「おい、こっちきてみろよ」みたいなセリフ吐いているだけで、どうにもズッコケ3人組とか宗田理の7日間戦争あたりの二番煎じか焼き直しじゃないか的な匂いが漂っていて、早々に読もうという気にはならなかったわけで。
まぁ、MONSTERだけでおなかイッパイだったってのもあります。
ただね、MONSTERやマスターキートンの浦沢さんのことだから、この作品もきっと奥が深い話のつくりになっているんだろうなーという期待はあって、MONSTERが終わってから、次はこれを読もうと、常々思ってはいたわけで。
あれからもう何年だ。もう16巻まで出ちゃってる。
なんというか。大抵、漫画の連載作品というのはイキアタリバッタリ型というか、連載しながら先の話をつくっていくというやり方になると思うんですが、この作品は、それを感じさせないというか、本当にもう最後まで話は作りこまれているのかもしれないけど、既にシナリオは出来上がっていて、それを小出しに毎回の枠の分だけ明かしていく、というような、そういう筋書きなんですよね。
というか、話のしょっぱなに、既にあの少女が登場しているとことは、やっぱりもう筋書きは最初からできていたのかな。そうでなきゃ、同時に連載2つなんて描けないかもしれませんね。とにかく、内容はよくできてる。私ごときが偉そうに批評してもしょうがないけど。これでももともと漫画家志望の学生で、まさにこういう作品を描きたい、と思ってた。ただ、私の場合は絵がダメでね。浦沢さんは絵も激烈きれいだもんね。きれい?サッパリしてるというか、読みやすいのよね。それでこの話のつくりの完成度。三谷幸喜が称賛するのも頷ける。
とりあえず、今読んでるところまでで感じていることを。
正義とは何か。ものごとに良い、悪いなんてあるのか。今見ているのが本当に現実か。今信じているものを本当に信じて良いのか。その根拠がどこにあるのか。そして、現実とは何か…。
内容的に懐かしいと感じる部分も結構ある。1970年代に子供だった人たちが主人公なので、世代的には私よりも一回りくらい上の人らなんですが、例えば手製の秘密基地、銀玉鉄砲で戦争(私の時代はBB弾とかでしたが)あと、夏休みに学校からそこへ行ってはいけないという場所があってみたいな設定は、わりと私の子供時代にも当てはまったりして「あーそうそう」みたいな感覚になる。
時代背景の描画もリアルに忠実で、リアリティが増している。ただ、この漫画のキャッチに「本格科学冒険漫画」とあったのだけど、その「科学」という部分は今のところよくわからない。あれかな。この劇中劇みたいなノリのキャッチコピーなのかしら。確かに70年代、80年代の子供向け作品は何でも「本格」「科学」「冒険」みたいなワードをつけてた気もする。
さて、これ読んだら、実家へ旅に出ます。続きの感想は、またこちらへ帰ってきたときにでも書こう。