[近況/日記] 不景気

純国産ロケットであるところのH-IIAが打ち上がるらしい。熱烈応援。

今の世の中をみると、どうやら完全失業率が5%を超えたとのこと。いわれてみれば、駅付近に寝ている家なし人も増えたような。サラリーマンなんてやってると、肌でそれを感じることはあまりないのだけど、実際は確かに不景気なのだなぁ。この不況の中、転職なんてできるんだろうか私。

もしかすると、この不景気は、実はこの国にとって良いことなのかもしれない。

というのも、バブル期の日本人はお金がなくなるということを知らなかった。お金はどこかから湧いてくる。いくら浪費してもお金は尽きない。何という夢のような時代。しかし、そのバブルもはじけて、それまで極楽だった景気は一気に冷え込んだ。そんなどん底で私は社会に放り出されたわけだけど、まあ何とか場末の会社に拾われ、何とか生き残っている。今はその会社にいろいろ苦しめられているわけだが‥‥。

そんな私はバブル期を知らないし、むしろ新卒で究極の就職難という辛酸を嘗めさせられた立場なので、かつての日本の栄光がどうだったかなんてこともよくわからないのだけど、バブル期を経験した世代の人は、いまだにその頃の感覚で生きている人もいるらしい。要は、一度高みを経験してしまったら、もうその水準を下げることができなくなるということである。

それでも、実際は不景気であり、バブル時代のノリで浪費を続けていれば遠からず破産する。そうなって初めてこれではいけないと気付く。いや、それでも気付けない人もいるかもしれないが。とにかく、失って初めて気付くことはあるものだ。それを理解することで、少しでも今までの無駄を省き、合理性を目指す方向へ転じる良い機会でもあるのではないか。

人は何かに不足がない状態、満たされている状態では、そのありがたさ、恩恵、そのようなものを感じることはない。手足がある私には、手足があることのありがたさなどそんなに切実には感じない。それを失って初めて、自分の手で物を持てること、自分の足で歩けることの素晴らしさを実感する。

とはいえ、本当に手足を失ってしまっては手遅れだ。あまりに不景気が続くと、本当に貧乏だらけの国になって取り返しがつかなくなる可能性もある。ほどほどのところで景気回復して、かつての病巣たる無駄の数々も合理化していただいて、あわよくば再び技術立国、経済大国としての地位を取り戻していただきたいところではある。

タイトルとURLをコピーしました