ステルス

ステルス 観て来ました。
予告編で流れてたテーマとはちょっと違ってましたね。
作中で、
「まるでビデオゲームだな」
なんていってましたけど、まさにエースコンバットですよ。
まぁ、あれが映画になったようなもんかもしれません。
無人戦闘機というのは、
新しい戦争のやり方としてはアリかな、と、
私は思ってるんですけどね。
あ、いや、戦争を肯定してるわけじゃないので。
要は、完全無人化です。
無人戦闘機を使って人を殺すのではなく、
無人戦闘機同士で戦うわけです。
これは、純粋に技術力の戦いになるわけで、
その技術は他の分野にも新たな発展をもたらすかもしれないと。
戦争ってのは、
人が大量に死ぬのが一番の問題なわけです。
ならば、戦争で人が死ななければ良い。
無人戦闘機、無人戦車、無人駆逐艦とかで、
戦場を特定して、そこに人が入らないようにしたところで、
いざバトルです。
もうそうなればゲームですね。
お金が大量にかかるけど、
どうせ戦争が永遠に消えないものなら、
そういう展開の仕方もあるんじゃないかなぁ…と。
話し合いで解決できない紛争が起こったら、
例えば、野球とかサッカーとか、
或いはチェスとか囲碁とか、ジャンケンとか、
そんなもので勝負をつければ、
一番平和的で良いんだけど、
どうやら世の中そうはいかないようで。
大国というのは、自分の持ってる兵器を使って、
どっかとドンパチやってないと気がすまないようで、
それで国としての強さを誇示しようとしているんでしょう。
人間というのは、基本的に野蛮な生き物でして、
敵対する何かと戦うときに一番燃えるようなのですな。
戦争に熱が入るのもそういう性格からかもしれないけど。
その証拠に、
今世の中一般で使われている多くの科学技術は、
戦争のための研究開発から生まれたものであることが多々。
核はその筆頭ですが、
今こうして私たちが使っているインターネットも、
もともと軍事用ネットワークの技術から発展したものです。
よく切れる刀を作る技術は、
よく切れる包丁を作る技術にもなる。
無人戦闘機を開発する技術があれば、
そのAIなり機能を実現する技術は結構応用分野が広いかと。
…と、話がそれたけど、
ステルスの感想なぞ。(以下、ネタバレです)


ざっと書けば、こんな内容。
現代ハイテク技術を結集して作られた無人戦闘機“エディ”。
これが、テロ対策部隊(主人公3人)と共に行動するようになる。
ある日、エディが雷に撃たれてその思考回路に異変が起こり、
後日、あるミッションで隊長の命令に背いたところからコトが始まると。
エディは米軍内に保管されていた
ある仮想ミッションのファイルを何故か与えられて(?)いて、
その内容が、ロシアのある兵器基地を破壊するというもの。
エディは、それを無謀にも実行しようとする。
3人は、なんとかそれを阻止しなければならないと。
まぁそこらが予告編でうたわれている内容っぽいのですが、
私はその後の方が、この作品のテーマのような気がしました。
部隊の3人のうち1人は、エディを追跡中に崖に衝突してしまう。
もう1人は、その爆発で飛んだ破片を食らって機を損傷し、
途中、飛行不能になったところで緊急脱出する。
その脱出した地点というのが悪くて、北朝鮮のど真ん中。
残された隊長は、エディを追跡して、
いろいろあって、なんとかエディを“説得”して、
アラスカへ帰還することになるが、
この失態が明るみになることを恐れた提督が、
その生還した隊長を暗殺しようと企てる。
ここから、構図がちょっと変わってきます。
暗殺を免れた隊長は、北朝鮮に落ちた仲間を救出するために、
エディに乗り込んでそこへ向かうわけですが、
その時点で、エディは敵ではなく味方になっています。
で、ラストでは、北朝鮮の戦闘ヘリに自ら突っ込んで、
2人の国境越えを助ける。
AIの思考回路が落雷で不測の状態になるというあたりは、
いかにもありがちなんだけど。
こういうのを見ていつも思うのは、
結局その思考回路を作っているのは人間だろ?
ということなんですよね。
機械というのは、そもそも勝手に動かないはずのもの。
プログラムというのは、命令の集まりなんです。
その命令が、ある条件で実行されたりされなかったりするんだけど、
少なくとも命令されていないことは決して実行されない。
だから、その動作自体は全く予測不能ではなくて、
それが禁止されている動作なら、
なぜそう動作する条件が満たされてしまったのか、
というあたりが問題なのですね。
もし学習能力があったとするなら、
その命令が実行される条件が変化することになるけど、
命令のパターンが増えるわけではないと。
実行する動作(命令)のバリエーションが増える為には、
やはりそこは人間が与えてやる必要がある。
要は、されて困るような命令は
最初から組み込まなければ良いんですね。
逆に、それをするということは、
そこには必ず人間の意図が介在しています。
 「機械は中立よ」
というセリフも作中にあったけど、これはその通りで、
機械の良し悪しは、それを作る、或いは使う人がどうだ、
という話に帰着します。
少なくとも、今現在の技術でつくられる機械については
そうだと思いますけどね…。

コメント

  1. ステルス

    テレビCMとかあまり流れてないみたいですけど(私が見る時間帯だから?)、別映画の

  2. tamayura より:

    つっこみどころ満載の映画でしたが、個人的には楽しめました。
    揚げ足取りじゃないですけど、間違いを指摘
    EDIは仮想ミッションファイルを与えられていたと言うより、全てのファイルにアクセスできるが故に勝手に手に入れたんじゃないでしたっけ?そしてその標的もロシアではなくアラスカの米軍の核融合兵器研究施設だった気が…
    しかし全ての機密ファイルに簡単にアクセスできるようにしちゃいかんですよね、ホント。その必要性もないし。つっこみ所満載でした(笑)

  3. 月影 より:

    どもども。
    機械がファイルにアクセスできること自体は
    基本的に良いはずなんですけどね(笑)
    機械が人格を持ってしまった場合に、
    それを制限するかどうか…。
    人間と同等の知恵を持つやつなら、
    禁止するべきなんでしょうねぇ。

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