塩爺こと塩川財務相が、とあるシンポジウムで講演していたときの野次に対して、そう言い返したそうである。財政政策をどうするか、どうすれば経済は好転するか、そのようなことを塩爺は話していたのだと思うが、多分、それを、そんなんじゃ駄目だとか、他にいい方法があるだろう、とか、そんなことをいわれたのだろうと思う。それで、塩爺はキレて、君らはワシが何を言っても、何かとケチつけたいだけだろう!と本音を言ってしまったのだろうと思うが。
とにかく、経済が悪いのはお前のせいだ、といいたいわけだ。その相手は誰でも良くて、とにかく悪者が必要だということ。その悪者をたたけば、一時的にスッキリするのだろうか。
この様相は、世界全体についてもいえることで、今回、ブッシュ大統領は、インドとパキスタンの経済制裁を解除したが、それは、それより優先される敵、つまり悪者が登場したから。その悪者の前に、皆で結束しよう、と。力を合わせて、その悪者をやっつけよう、というわけだ。パレスチナの敵とか、軍事的にアメリカに従わない敵だとか、そんなものより、今回の敵はとても分かりやすい形で登場した。さて、今度はその敵、その悪者をたたく算段である。
しかしなぁ、日本の煮え切らない政治もどうかと思うが、アメリカのこの転身の早さも、またどうなのかね。いくら緊急事態とはいえ、じゃ、今までの制裁って何だったのよということにならないのかな。