塩爺こと塩川財務相が、とあるシンポジウムで講演していたとき、聴衆からの野次に対して
「君らはそれが言いたくて来たんやろ」
といったとか。塩川氏の話が聴きたくて来たのではなく、塩川氏に一言文句をいってやろうと思って来た人も多かったんだろうね。話の内容がどうであれそんなものはどうでも良くて、とにかく今の経済がダメなのはお前のせいだ、お前が悪い、とっとと辞めてしまえと(実際そんな野次だったかどうかは知らないが)そんなような罵声を食らって、さすがの塩爺もキレて、お前らこっちの話なんか聴く気ないんやろ、それより文句いいたくて来たんやろ、とそんなところか。
わからんでもない。どちらの気持ちもね。確かに政治がダメダメだから経済が落ち込みっぱなしなんだというのもわかる。でも、経済に対して政治ができることなんて限られてると思う。資本主義の社会において実際に経済を回してるのは民間なんだから。ただ、大きな害悪になる政治的なファクターというのはひとつあって、それは税金。これが高いと民間企業は萎縮して投資控えをするし、消費者もお金を使わなくなる。だから、財務大臣であるところの塩爺が経済に対してやれることはひとつ、減税ですよ。
それはともかく、文句をいう側も、とにかく悪者を叩いてスッキリしたいだけの人も多い。本当の原因は知らないままに、経済が悪いのはお前のせいだ、オレの生活が良くならないのはオレのせいじゃなくてお前が悪い、といいたいわけだ。その相手は別に財務大臣でなくても誰でも良くて、とにかくもっともらしい悪者が必要だということ。その悪者をたたけば一時的にスッキリすると。
そんなことを思いながらニュースを見てたら、どうやらブッシュ大統領がインドとパキスタンの経済制裁を解除した、ということらしい。ああ、今はそれどころじゃないってことだなと思った。要は、それより優先される敵、つまりアメリカにとってもっと悪者が登場したから。その悪者の前に、世界の皆で結束しましょうと。力を合わせてその悪者をやっつけようというわけだ。慢性的な問題になってるパレスチナとか、いつもアメリカに文句いってる国とか、そんなものより今回の敵はとても分かりやすい形で登場した。今度はその悪者をたたく準備が始まったということだ。
日本のよくわからん政治もどうかと思うけど、アメリカのこの転身のはやさも、またどうなのか。緊急事態とはいえ、じゃ今までの制裁って何だったのよということにならないのかね。