政府や保安員の発表で最近よく聞くキーワード。
「ただちに健康に影響するものではない」
この流行語大賞にもなりそうな「ただちに」とは、
今すぐには、という意味であり、ってことはつまり
長期的にみれば健康を害するかもしれないよ?
ということを暗にいってるってこと。
じゃあ長期的にみた場合、どの程度が許容範囲よ?
という疑問は当然出てくるわけですな。
それを判断するには比較対象が必要。
その比較対象というのは原発事故がなかったとしたときの
つまり平時の放射線量(被曝量)と比べればよろしい。
ちなみに、原発が壊れたりしなくても
自然界には常にある程度の放射線が存在していて、
これを環境放射線といいます。
環境放射線の世界平均は年間2.4mSv(ミリシーベルト)
程度だそうですが、これは地域によって異なる。
日本は平時で1.48mSv程度ということなので、
世界的にみると放射線量の低い地域ということになります。
(参考 : 放射能と放射線 [fepc.or.jp] [pdf])
ちなみに、この環境放射線というのは、
大気圏外や地表からの放射線による外部被曝と、
呼吸や食事などで摂取するものから受ける内部被曝がある。
この両者を合わせた数値が今はどのくらいなのか?
ということを知れば、ある程度の認識はできるかなと。
例えば、私の住んでいる横浜はどうなのかしらん。
横浜市のホームページで放射線量が公開されてるので、
震災前のおよその平均値と震災後のおよその平均値で計算して、
とりあえず外部被曝の方を計算してみます。
地震前(3/11以前)は、大体 22 nGy/h で推移していて、
地震後は、直後に 150 という高い数値を記録してたりするけど、
その後はおよそ 50 nGy/h くらいで推移しているようです。
(参考 : 横浜市環境創造局 放射線量の測定状況 [city.yokohama.lg.jp])
これだけみると倍以上になってるので不安になります。
では、内部被曝の方はどうか。
とりあえず強い放射能をかぶった食品は食べてないとして、
水道水に放射性物質がどれだけ含まれていたかをみると、
一時的に市内の浄水場の何点かでヨウ素131が
55~56Bq/kg程度検出されたことがあるようです。
(参考 : 横浜市水道局 放射性物質検出結果 [city.yokohama.lg.jp])
これも常時ではない(今は不検出)けど、
一応高めに見積もるということでヨウ素131 56Bq/kg の水を
経口摂取するとします。
上記数値で被曝量計算できる計算機をつくってみました。
被曝量計算機
1時間あたり 50 nGy、 ヨウ素131含有56Bq/kg の水を
1日 2.6kg で 145.6 Bq 摂取するとして計算すると、
年間で1.607mSv程度の被曝、という結果になりました。
ちなみに平時は、外部 22 nGy/h 、内部 0 として
(内部被曝は 0 にすると世界平均の0.8mSv/年で計算になる)
同様に計算すると 0.993 mSv程度。
なるほど、平時に比べれば大分大きいようです。
ただ、世界平均の年間 2.4mSv という値に比べれば、
とりあえずはまだそれを下回る結果になる。
これをどう判断するか。
人それぞれとは思いますが、
個人的には“問題なし”の範疇かな、と。
例えば、中国の環境放射線は平均で年間3mSv程度だし
ブラジルに至っては年間5mSvを超えてるらしい。
上記はそのへんの国で暮らすよりも低い数値です。
実際、深刻なのは、まさに福島原発直近の地域であり
その復旧作業にあたっている作業員たちですよね。
彼らは本当に大変だと思います。
でも、そこから何十kmも離れてるところに暮らす我々が
自分の被曝量を必要以上に気にするというのは、
何かちょっと考え過ぎという気もしなくもない…。
そもそも、この放射線の増量って
本当に全部、あの福島原発由来のものなんですかね?
そういう検証もあまりされてないような。
ちなみに、実家(鳥取)の親が心配して
「放射線大丈夫か」という電話がかかってくるんだけど、
今調べてみて衝撃の事実が判明。
↓今私が住んでる横浜の放射線量(再)
横浜市環境創造局 放射線量の測定状況 [city.yokohama.lg.jp]
4月3日 9:00 時点 … 43 nGy/h
↓実家の鳥取の放射線量
県内の環境放射線測定結果 [pref.tottori.lg.jp]
4月3日 9:00 時点 … 63 nGy/h
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
_, ._
(;゚ Д゚) …!?
鳥取の方が高いじゃねーかyp!
そういえば、鳥取の人形峠はウランが取れるんだっけ…。
関係ないか。
※上記計算機は、あくまで大人の被曝線量換算になってます。
子供の場合はもう少し多めに見積もる必要があるので念のため。
コメント
被ばくを最小限に抑えるための知識
このたびの東日本大震災で被災された方々、そのご家族、ご関係者のみなさまへ心よりお見舞い申し上げます。
震災後、福島第1原発の放射能漏れ事故の影響で消費者が水道水を敬遠し、ペットボトルなどのミネラルウォーターなどの飲料水を買いだめする傾向がみられています。
安全な暮らしに役立つ生活術などをまとめてみました。…
怖いのは、我慢して水飲まない人が出ることですな。
「ただちに」ってのは、あの後枝野が反省しただかして、
「ただちに影響は出ない。また、将来にわたって影響もない。」に発表を切り替えましたね。
ちなみにウチの学術はこんなことを言ってました・・。
「お前の体にも、自然界に存在する炭素だけで 2,600ベクレル、カリウム40にいたっちゃ、4,100ベクレルあるんだからキニスンナ。」
とのこと・・・。
う~む。
最後に、鳥取こえー(嘘
発表を信じるのも良いですが、あとで何かあったら人のせいにすることになるので、少しは自分で知識を得る努力をしても良いと思いますね。
ちなみに、放射線量のBq(ベクレル)値が同じでも、その放射性物質の核種によって被曝量が異なります。
ICRPでその目安となる換算係数が出されてるけど、カリウム40は6.2×10^-9で、ヨウ素131は2.2×10^-8(経口摂取の場合)とされてるので、仮に同じ1000Bq摂取した場合、カリウム40なら6.2μSvの被曝、ヨウ素131なら22μSvの被曝になります。
鳥取は普段から環境放射線が高い地方みたいですね。東京や神奈川あたりは日本の中でも低い方のようです。