ノーベル平和賞

先日、精密検査の結果を教えてもらったところ、
どうやら、もうちょっと生きられるらしい。
良かった良かった。
とりあえず、FF13やるまでは死ねない。
さて、今年もノーベル賞が順次決まってるようですが
中でも特に異彩を放っている賞がノーベル平和賞ですね。
驚き? 納得? オバマ大統領にノーベル平和賞
(nikkeibp.co.jp)
成果無き受賞、ということで、異論反論出ているようで。
他の学術系の賞が、何らかの達成された実績を評価している
というのに対して、平和賞は、その評価基準がよくわからない。
これは今回のオバマさんのに限った話ではないんですけどね。
そもそも、平和って何ですか?
符がないことですか。(それは違う)
「平和」の反義語として「戦争」という言葉が上がりやすいのは
トルストイのせいなんですかね。
辞書的には、秩序があること、暴力がないことなどとあるけど、
じゃあその秩序とは何か、暴力とは何を指すのか、というと
巡り巡って、平和であること、に戻ってくる。
言葉って、大体そういうものなんですけどね。
ここはそんな言語学を探ろうとしてるわけじゃないので、
とりあえず、ノーベル平和賞でいう「平和」とは何か?というと、
実績としては、医療活動や福祉活動に精を出した、ということ、
それと、世界から戦争をなくする活動を指すんでしょう。
前者はわかりやすいけど、後者は評価しづらい。
過去の受賞者をみても、確かに、戦争状態にあった2国間、
或いは複数の国家間での紛争問題に切り込んだ人は多い。
ただ、その後その問題がすっかり解決されたかというと、
一時的に問題が緩んだことはあれど、完全に解消ということには
至っていないケースがほとんどなのよね。
例えば、1973年のノーベル平和賞はキッシンジャー氏ですが、
彼はベトナム戦争の終結(パリ協定)に貢献したとされている。
確かにそこで戦争自体は終わったけど、それでベトナムと
アメリカとの問題がすっかり解決されているわけではない。
(というか、氏自身は決して戦争否定派ではない。)
94年は、当時のパレスチナとイスラエルのトップたちが
話し合いの場を持つことができたということで、
そのトップ3名にノーベル平和賞が出されているけど、
パレスチナの問題はいまだに解決されていない。
2002年受賞のジミー・カーター氏などは、
やはり中東和平の仲介、パナマ運河返還に貢献したことや
キューバ、北朝鮮に訪問したことあたりが評価対象でしょう。
でも、パナマ以外の問題は依然として継続している。
それでも、彼らにはそれなりの行動を起こしている、という
何らかの「実績」があったんですけどね。
で、今回のオバマ氏。どうですか。
彼の場合、米国の大統領に当選したということ自体が
まぁ歴史的な偉業ともいえるかもしれないけど、
それって「平和賞」ではないよね。
おそらく、「核のない世界を目指す」という発言が
一番平和賞的な評価をされたものと思われるんだけど、
そんなことは、彼でなくともみんないってますから。
これは、米国大統領という立場でそういう発言をした、
という、条件付きの人物ゆえということなんでしょうね。
米国のトップということは、事実上、世界のトップともいえる。
最近はそうともいえなくなりつつもあるんだけど、
それでもまだ、一応は世界一の軍事大国で経済大国ですから。
その大将が「核いらね」発言をしたとあれば、
おら、みんなそれに従えや!と強く出られるまたとない機会やん
ということですか。
もし、本当に核兵器がなくなる、ということになれば
それは今までのノーベル平和賞なんて霞んでしまうくらいの
驚異的な実績ということになるんですけどね。
今の時代、そう簡単にはいかなくなってる。
昔のように、核は、アメリカやソ連(ロシア)のような
軍事、経済、そして技術力に長けた大国しか持てない兵器
というわけじゃなくなってるもんね。
イランとか北朝鮮とか、そんな小さい国でも平気で持ってる。
アメリカが核を捨てても、イランや北が持ってるとなれば
逆にそっちの方が不安なのであって、
ゆえにアメリカなどもそれ以上の力で頑張ってなきゃならん。
核兵器が人類にとって何の利益もないものと知っていながら、
それでも完全に捨てきれないのは、この悪循環ゆえでもあり、
「なくしましょう」といって簡単になくなるものではないのね。
それは了解の上で、あの平和主義な大統領を持ち上げとけば
少なくとも今以上の悪化はないだろう、ということかもね。
オバマさんも、平和賞なんてものをもらった以上は、
今後、外交上で武力に訴えることもそうそうできなくなる。
今回の成果無き受賞の背景には、
もちろん将来的な期待という理由もあるんでしょうけど、
同時に、米国の軍事行動を抑止する意味もあるのかなと。
核はなくなって欲しいもんですけどね。本当は。
ボタン1回ポチッとやるだけで、地球オシマイなんですよ。
そんな兵器が、ほんのわずかな人間に牛耳られてる。
つまり、たった今この瞬間、世界中が焼け野原になっても
何の不思議もない世の中に私たちは生きてるわけです。
そして、この状況は、私たちがどう足掻いても覆らない。
ゾッとしませんか。
そんな中、そのボタンを押せる人間をとりあえず何とかせにゃ
という人類の総意が、実は今回の賞に帰着してるのかもね。
オバマさん、できるもんなら
本当に核なくしちゃってちょうだい。

コメント

  1. RORO より:

    なんだー もうちょっとって!!
    結局平和ってのは局所的なものでしかなくて地球全土が恒久的に平和なことは過去一度も無かったように今後も無いと思う。
    ってなことで、パクス・ロマーナやパクス・アメリカーナ的な状態に甘んじるしかないし、それでいいのかもしれない。

  2. 月影 より:

    検査は、無問題だったってことで。
    一極支配であるうちは、核のボタンを押す理由がないので、その意味で「平和」なんすね。ただ、その陰でいくらかの切捨てがあるのも否定できず、その外延に火種があったりするのも用心がいる。
    基本的に安定ってのはないですよね。

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