島国日本の隣国といえば、大抵の場合、中国、韓国、北朝鮮のこと。ときどきロシアや東南アジア、太平洋を隔てて米国も隣国になるけど、まぁここでは上の東洋の国々のことに言及する。
ということで、中韓北といった国々と日本。北朝鮮は全世界を敵に回してるからこれは置いとくとして、中国と韓国である。この2国は戦後からずっと日本を目の敵にしている。その理由は中韓で全く同じでないようだが、共通して建前にしているのは、戦時中における日本の素行に問題があったということだろう。その戦争というのは67年前の第二次世界大戦のことなのだが、正直いつまでそのことを引きずり続けるのだろうかと思う。
さて、それぞれの国の事情について、もう少し踏み込んで考えてみる。
まず中国。正確にいえば、中華人民共和国。実はこの国が建国されたのは戦後である。そう、中華人民共和国自体は戦争の被害にあっていないどころか、当時中国を支配していた中華民国が日本によって弱体化されたことで、それを潰して台頭してきた勢力だったのだ。
戦前、そして戦中において中華民国を治めていたのは蒋介石(当時)を筆頭とした国民党だった。治めていたといってもずっと内紛続きで安定した時期はほとんどなかったようだが。一方で、現在の中華人民共和国を支配しているのは毛沢東(当時)を筆頭とした中国共産党(以下、中共)だ。
その両党は中国の支配権を巡ってずっと対立関係にあり、1924年から一時的に手を組んでいたものの(第一次国共合作)、1927年には蒋介石が中共への弾圧(上海クーデター)を開始、これにより対立が本格化した。1930年代以降、毛沢東は農村部で勢力を拡大、蒋介石は主に都市部を拠点に活動していたが、日中戦争に対応するため、1937年から再び協力関係を結んだものの(第ニ次国共合作)中共は積極的な協力をせず、主に日本と争っていたのは国民党だった。そして1945年の終戦を迎え、日本の敗北をきっかけに国共内戦が再燃。結局その戦いは1949年まで続き、国民党はもともと日中戦争で疲弊していたこともあり、最終的に中共が中国本土を制圧、国民党は現在の台湾へ撤退することになった。
要するに、戦争中に中共が戦っていた相手は、日本というより主に国民党だったのだ。何なら中共が国民党に勝利できたのは日本のお陰とすらいえるかもしれない。その中共が今では第二次世界大戦で中華民国時代に日本からうけた被害について声高に文句をいっているのである。
そんな中共だが、実質被害にあっていないにも関わらず日本を敵視し続けているのは、その方がいろいろ都合が良いからだ。まず、被害者ポジションを取ることで、日本から無償の賠償を得られる。また、第二次世界大戦の被害者であることは、その戦勝国の立場を得られることになる。実際、現在の国連の安全保障理事会において中国は常任理事国の椅子をゲットしている。それによって、軍拡や領土拡大などをしても、それは日本という脅威に対抗するためという大義名分を使える。
これだけでも大きなメリットだが、日本が脅威であり敵国であることは、中国の内政を安定させるのに利用できるというのが最大のメリットだろう。中国は国土も大きく国民も多い。あれだけの国土を1つの国としてまとめるのは難しく、実際に中国の歴史をみると、前の王朝の支配者が次の支配者に滅ぼされるということを繰り返している。つまり、中国を統治するにあたって最大の課題は、国の内部からのクーデターをいかに抑えられるかということ。要は、国民の不満や敵視を政権に向けさせないことが中共の命題であり、その不満や敵視の矛先を日本に向けることで、国民感情の溜飲を下げているのである。
こうした中共の反日政策はその建国以来ずっと続けられているのだが、特に反日活動が盛り上がった時期というのは、大体中共で政治的な動きがあった時期と重なる。例えば2005年4月頃、日本の小泉純一郎首相(当時)による靖国神社参拝や日本の歴史教科書の記述などを巡って反日活動が大々的に盛り上がったが、同じ年の3月頃に中共は「反分裂国家法」という法律を施行している。これは台湾独立を画策したり加担したりする人を取り締まる内容のものだが、これは純粋に当局が国民を捕まえる口実が増えたということであり、それに反発する国民が出るのは必定だ。それを隠蔽する目的で、日本のどうでもいいことに言いがかりをつけて反日感情を煽ったと考えることもできる。
あとは、単純に領土を拡大して経済圏を広げたいという理由もある。中国からみて、日本というのは非常に邪魔な位置にある。地図を見ればわかるが、中国が太平洋に進出するには、どうしても日本列島を無視できない。その意味では台湾やフィリピンも同様なのだが、当然中国はそちら方面にもちょっかいを出し続けている。要は、彼らのいう第1列島線のどこかに太平洋に出るための風穴を開けたいのだ。また、近年は尖閣諸島の近海に海底資源が存在するという調査報告もあり、その資源を狙ってか、数年前から中国漁船や調査船、そして中国海警の船までもが尖閣諸島付近の日本領海に頻繁に侵入してくるようになっている。
さて、次に韓国なのだが、実は韓国が反日をやる生産的な理由はひとつもない。彼らは戦時中の被害がーと訴えるのだけど、戦時中、朝鮮半島は現在の北朝鮮を含めて日韓併合により日本の一部だった。つまり、韓国が日本と戦争した歴史はないのだ。ではなぜ彼らは反日なのかというと、どうやら韓国が“日本の一部”であったという事実が彼らにとって屈辱であるらしい。
1945年の終戦直後、朝鮮半島は連合国による統治を経て、アメリカに統治されていた半島の南側に大韓民国、即ち韓国が建国されるのだが、その初代大統領である李承晩という人物は、日本統治時代に独立運動の活動家であったために逮捕されるという経験をしている。後にアメリカへ亡命するのだが、このときから李承晩は日本に対する反感を強めていったようだ。
その後、1948年に韓国大統領の座に就いた彼は、とにかく日本排斥の政策を打ち出した。日本統治時代の遺産や日本語などといった日本にまつわる要素を徹底的に排除したり、ありもしない再びの日本支配を拒む言動であったり、日本の領海を無視した李承晩ラインといわれる線を勝手に引いてみたりと、とにかくこの李承晩というのは日本憎しな人物であったらしく、そんな彼の反日政策や感情が今現在に至るまで脈々と受け継がれているといったところだろう。
反日をやることで韓国政府にとって生産的(?)なことといえば、中国同様に被害者ポジションを決めることで賠償請求したり、あとは政権の安定を図れるといったあたりか。
事実、韓国は日韓請求権協定によって、無償3億ドル、有償2億ドルもの賠償金をせしめることに成功している。ただ、そうした賠償金が支払われたにも関わらず、この協定は韓国によって一方的に反故にされてしまっている。
また、韓国の歴代大統領はとにかくスキャンダルが多く、政権も安定しない。そのため国民の政府への不満も噴出しやすく、その不満の矛先を日本への反日感情に転嫁することで政権への批判をかわしていると考えられる。その感情を固定するためか、政権が変わっても反日教育というのはずっと変わらず徹底されている。
とはいえ、現在の韓国人が日本や日本人を憎む理由が李承晩の怨念だけというのはとても弱い。それどころか、実は朝鮮半島は日本統治を経て大きく発展しているのだが、そのことについて韓国の歴史教科書では一切触れられていない。例えば、日本統治の初期である1910年頃の朝鮮半島の人口は1300万人程度だったとされているが、終戦直後の1945年には約2500万人(うち、韓国は約1600万人、北朝鮮は約900万人)にまで増加している。これは日本統治によって衛生環境の改善が図られた証左でもある。その他にも、道路や鉄道、学校や病院などのインフラも整備され、朝鮮は日本によって近代化したともいえるのだが、それよりも、その過程で韓国人(朝鮮人)が日本によって強制労働させられたという側面の方が強調される形で教えられている。そうでもしないと反日感情が薄れてしまうからだ。
そんなところに、何と日本の方から韓国に燃料投下してしまう事件が起こる。1982年9月の朝日新聞に、「戦時中、朝鮮人の女性が日本軍に連行され慰み者になった」というような内容の記事が掲載されたのだ。これが後に従軍慰安婦問題とされる一連の問題の発端となった。韓国にとっては棚からぼた餅、願ってもない決定的な反日理由の提供だっただろう。
以後、韓国はずーっとこの件を引きずり回すことになる。元慰安婦なる女性が次々と現れて賠償請求してみたり、それも落ち着いてくると、この件が風化して忘れ去られないように、世界中に慰安婦の銅像を立てまくるなどといった念の入れようだ。ただ、この慰安婦に関する記事の内容は、後にこの記事を書いた吉田清治が間違いであったことを認めているのだが、韓国としてはもう後へ退けないのだろう、事実であったはずだと譲らず今に至っている。
韓国と日本は、そんなくだらない話の他には、特にいがみあう要素がない。一応、李承晩ラインによって竹島が韓国のものにされてしまっており、それが唯一の領土問題となっているが、これは安全保障上の問題というより、日韓関係を険悪に保つ上でのネタでしかないように感じる。
ざっくりまとめると、日中関係はいろいろヤバいが、日韓関係はわりとどうでもいい、そんな感じ。