旅日記

鳥取は、何だか地獄のようだった。
いや、雰囲気が。
空は常にドス黒く曇っていて、雪雨あられが強風を伴って吹き荒ぶ。時おり、異様に長い雷が鳴り響いて、木造のうちの実家はビリビリと震える。その上、強烈に寒いし。「山陰」という呼び名が、こんなに相応しいと思ったことはない(笑)
しかし、日本を横断もすれば、その道中はいろいろな気候になるものである。
鳥取は霙交じりの雨だったが、山を越えて岡山に出ると晴れ上がった。
さらに兵庫に抜けて中国道に乗る。
吹田あたりまで日差しが照り付けて車内は暑いくらいだったのに、京都に入るあたりで曇り始め、大津、米原あたりで吹雪に遭遇する。
名古屋に着こうかというあたりでそれもおさまり、サラサラと雨が降る。浜松あたりで雨も上がり、道も乾いている。
もうこの辺りから日も沈んで外は暗いので空模様は分からなくなってしまったのだが、本州って意外に長くて気候変化に富んでいるんだなぁ、と改めて思った。
今も、目を閉じると、車窓に吹き付ける雪がちらちらと浮かんでくる。

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