福島原発の実態は依然不透明な部分が多いけど、
それでも徐々にいろいろな状況がみえてきてますね。
やっぱり地震そのものによる被害はそれほどなかったらしい。
そして、津波の被害もある程度予測可能だったらしい。
…にも関わらず、いろいろな対策を怠っていたようである。
かつ、津波被害後のマズイ対応が被害を拡大させていた。
いくら施設が頑丈でも、その電源がなくなれば
電力で動いている施設がダメになるのは素人でもわかります。
炉や燃料の冷却システムも電力で動いてるわけだから、
電力供給が断たれれば冷却もできなくなって
いずれそれらの破損につながっていくことも大体想像がつく。
結局そこが要だったと。
今回は津波で予備電源まで失われたので、
その現場だけで電源の復旧再生することは難しかったはず。
そこで重要なのは中央の対応になってくる。
中央というのは、本店であり、政府ですね。
当然、現場からは本店に向けて救援要請はあったはず。
そしてそれは本店から政府にも上がっていたと思われる。
しかし、それ以降の政府対応はというと……?
現状、被災地の復旧活動も、政府主導というより
民間やボランティアが中心になっていることから見ても、
原発の対応も推して知るべしといったところかもですね。
震災はもちろん天災ですが、
原発の一件はどうも人災な側面が大きい気がしてきた。
今回拙かったのは、被災前の対策が甘かったことと、
被災後の対応の極端な遅さじゃないか。
で、このために、原発自体がえらい悪者になりつつある。
もう日本ではこれ以上原発をつくれない勢いです。
というか、今ある原発も止めるべきだというデモや運動も
あちこちで発生しつつある感じ。
これは日本にとどまらないですね。
その原発事故による直接の放射線被害のみならず、
原発自体が必要以上に危険視されてしまったということも
福島の事故による社会的な被害といえるんじゃないか。
当然のことだけど、原発の運用はバカにはできません。
現場はもちろん、運用する会社やそれを管理する政府も
相応の知識と技量といざというときの行動力が必要です。
それが今の東電や政府にはなかっただけで、
原子力発電という技術自体が悪ではないと思うんですよね。
ただ、それを扱う技術もなしに運用するのは危険なので、
その意味で手を引くべきだという人もいますが。
でもそれを言い出すと、他にもある世の中のあらゆる
技術的な挑戦が頓挫せざるをえないので、
やるべきかやめるべきかは状況によりけりですけどね。
原発とは関係ないですが、最近CSの番組で
航空機事故の特集をやってたのをたまたま見てたんですが、
あるひとりの管制官が、航空機を1機滑走路に待機させて、
忙しさのあまりそれを忘れて同じ滑走路に別の航空機の
着陸許可を出してしまって大事故になったというものでした。
その調査にあたったNTSBの調査員が番組で
「悪者(この場合、誘導ミスした管制官)を特定して
それを非難することは簡単だが、重要なのはそこではなく、
同じ事故を起こさないためにそうなった原因を明らかにし、
今後どうしていくべきかを考えることだ」
というようなことをいってました。
その事故が起こったのはLAXだったんですが、
そこはかねてからパイロットや航空関係者から危険視される
超混雑の空港だったそうです。
それにも関わらずそれを解消する対策が殆どとられてなかった
ということが、事故の最大の原因だったということですね。
畑は違えど、福島原発の件も同様じゃないかな。
原因を特定して、その対策を迅速に打っていかないと、
きっとまた同じことが起こりますね。
今の政府にそれができるのか、甚だ心配ではありますが……。
コメント
チリ地震での津波が前例にあり、それを特例として除外したところが今回の人災たる所以ですかね。
制御に100%を求められる場合、前例を特例除外しちゃいかんですな・・・。
まぁでも、100%はありえないという立場からすれば、原発はありえなくなっちゃうんでしょうが・・・。
ところで、放射能除去装置って作れないんですかねぇ。
空気清浄機でほとんどのセシウムを除去できたっていうくらいだから、何とかできそうな気がするんですが^^;
あと半減期が長く毒性が強い放射性物質は、再度核分裂させちゃうとか・・・。
放射性物質が厄介なのは、細菌とか他の有毒物質と違って化学的に除去ができない点なんですよね。
空気清浄機って空気中のダストを集めるだけなので、放射性物質がそのフィルタに集積することになるだけという気もしますが、どうなんでしょ。