憲法改正

本日は憲法記念日です。
今年はその憲法施行から60周年にあたる年だけど、
憲法を大事にするというより、政府としては、
これをどうにか変えようということになってるっぽい。
日本国憲法というのは、
1947年の今日、つまり5月3日に施行されてから、
その内容は一字一句変わっていない。
ただ、その解釈については、
常にいろいろな局面で議論になっていたようです。
中でも最も話にあがりやすいのが、
その第9条の条文。
 第九条
 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、
 国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 二、
 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
 国の交戦権は、これを認めない。

これですね。
素直に解釈するなら、
日本は全く武力を持たない国でなければならないのだけど、
事実はそうではない。
この矛盾を釈明するために、
ときの政府はいつも苦しい解釈で説明してきていたと。
今の安倍政権では、その呪縛を解放すべく
この条文そのものを変えてしまおうとしている。
憲法改正が政府で叫ばれていたのは、
実は今回が初めてではありません。


かつて岸信介内閣のときも
憲法を改正する方向で動いていたといいます。
ただ、そのときは、
同政権で日米新安保理の改正案が強行採決されたことで、
国民世論の反発が高まり岸総理は辞任に追い込まれます。
そして次代の池田勇人内閣で憲法改正は白紙撤回された。
日本国憲法というのは、
当時のGHQ、つまり米国によってつくられた色が強い内容で、
岸氏は、日本が本当の独立国たる為には、
日本自らの手によってつくられた憲法を持たねばならない、
と考えていたようです。
ただ、そうであっても、武力を放棄する、という内容は
今から変える必要は無いのではないか。
憲法改正をするといった場合、その主目的は、
おそらくその武力行使を可能にすることでしょう。
少なくとも、日本が武力を持つこと、それを使用できること、
これを憲法に縛られず可能にしたいという意図はあるはず。
現状でも、日本は自衛隊という軍事力を持っています。
そして、それを海外派遣することも、
条項の解釈次第で可能になったりするわけです。
この上、憲法の縛りが無くなったらどうなるか?
憲法というのは様々に解釈して運用されるもので、
その下に定められる法律のような拘束力はない。
実際、武力放棄を謳ってる憲法の下にも自衛隊が存在しています。
だから、それを改正しようがしまいが
実質的な効果はあまりないのではないかと思われますが、
それでも、憲法は法律の範囲を限定する役割があり、
自衛隊も、それを堂々と武力であるとはいえない、という
ある意味でのリミッターにもなっている。
あと、限度を超えないように制約しているのに、
その限度を超えたいから制約自体を変えるというのでは、
何でもアリになってしまい歯止めが効かなくなるのではないか。
厳かな憲法も、変えようと思えば変えられるんだな、
という前例をつくってしまうという意味でも、
不必要にホイホイと変えない方が良いものだろうと思うのです。
条文の内容が時代にそぐわなくなったから変える、
という話も理由としてよく聞くんだけど、
「武力放棄」という条文は、むしろ先進的ではないか。
そんなわけで、
個人的には変えない方が良いと思うんだけどなぁ……
いずれにしろ、憲法改正が国会で発議されたら
その最終決断は国民投票に委ねられるので
その際、国民がどう判断するかということになりますが。

コメント

  1. たまぞ~ より:

    元々形骸化してますからね。。。
    例えば水上戦闘能力は米・英に次いで3位。「隣国」の水上艦艇を殲滅するのに1時間いらないらしい。
    そりゃそうなりますわ。「1%」という言葉が欺瞞なんだから。グラフの錯覚ならぬ数字の欺瞞。。。(笑
    孫子は日本国憲法を褒めてくれるでしょう。
    軍隊は使わずにそこに置いておく事に意味がある。
    なので憲法9条の改正とはこういう意味になる。
    「調子こくな馬鹿。やる気か?攻め込むぞ?」
    抑止力の増大という意味でとどまるなら、やっぱり孫子は褒めてくれるでしょうね。

  2. 月影 より:

    日本が武力を持った背景には、やっぱり米国があったらしいんですよね。占領時は日本の武力を抑えようと憲法に武力放棄を謳った良いけど、冷戦になると、赤の傘下に入った中国をけん制したくなって、今度は逆に日本に武力を持たせようとした。
    今でも、米国にとって脅威は“北”なぞでなく、多分“華”の方でしょう。小さい国は小さい国同士でにらみ合っていてもらえれば米国にとっては面倒が減って好都合なんじゃないかな、と。

  3. びーぐる より:

    すみません、記事の内容に関係ない話題ですが、
    エースコンバット6は、プレイステーションでは遊べないのでしょうか?
    初代のエースコンバットからのファンです。
    自由度が素晴らしいですね、このゲームは。

  4. 月影 より:

    AC6はXbox360みたいですね。
    他ハードに対応するかどうかはわからないけど、PSで新作出すならPS3になるでしょう。ただ、ハードの普及や開発コスト絡みなどで、今のタイミングでPS3は選択し辛かったのかなと。

  5. びーぐる より:

    このような不躾な質問にお答え頂き、感謝します。
    数学などは不得意な私ですが、
    興味深い内容が一杯のページですね。
    また、訪問させて頂きます。

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