インターネット依存症

日テレの報道特捜プロジェクトでインターネット依存症の特集をしてましたね。
まぁこれは現代社会の風邪みたいなもんだと思うしかないんですが。
ネットワークの発達自体は、
高度なコミュニケーションと高速な情報交換を可能にしているわけで、
これは「つながり」という意味では密になってきているということ。
で、そうなることでネット依存症というものが発症してきた。
この一番の問題は、人と人のコミュニケーションが疎になりつつある…と。
あれれ?
何か矛盾していますね。
つながりが密になっているのに、人同士が疎になるとはどういうことか。
ひとこと補足が抜けているんです。
人と人の“直接の”コミュニケーションがなくなってきているんです。
人間関係というのはいつの時代も面倒くさいもので、
常に相手の気持ちを考えて行動しなければならなかったり、
人目を気にしなければならなかったり。
そうであるのに、人は人とのつながりを求めているんですね。
なるべく自分を人前に晒さないで人とつながりたい…
なるべく自分を隠して人に自己主張したい…
そんなワガママを通してくれるのがインターネットだったりすると。
だから、人は直接的な人との関係を避けて、
インターネットといういわば仮想の世界へ逃避していく。
多分ね。
こういう問題自体は、依存症の本人も一応認識しているわけですよ。
こういう状態はヤバいんじゃないかと。
こうなってきた背景には、
そういう方向性を持って発展してきた社会があるのだと思うんですよね。
今の社会は、ことさら人とのコミュニケーションがなくなってきています。
自販機、自動改札、ATM、飲食店でも食券販売。
これらは経費削減できて、かつ便利という象徴的なインフラですが、
そのようなものがベースになって、
人のいない店頭という文化は当たり前になりつつあります。
えと、ネットワーク依存の話だった…。
こういう問題を取り上げている番組の中で、コメンテータが
「なんで人と直接会って話をしないの」とか、
「外に出て人と触れ合った方が絶対楽しいのに」とか、
そういうノー天気なことをよくいうんだけど、
それができれば依存症にはならないよ!って話ですな。
あと、「そういうことをちゃんと親がみてやらないと」とか、
「規制する必要があるのでは」などということがいわれるんだけど、
多分そういう問題でもないんだよね。
ITが伸してくる中で、そういう人が出てくるのはいわば必然。
従来の常識人からみれば、そういう人は異常者になるんだけど、
それはそれで生き方だし、新しい文化でもあると。
人間として正しいかどうか、という問題はかなり深いです。
多分、正解なんかないから。
ただね、不健康であることは確か。

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