最近、東大の研究室で量子テレポーテーションに成功した、
というニュースがありました。
テレポーテーションというのは「瞬間移動」のことで、
SFなどでは話の都合をよくする為に頻繁に使われるものなんだけど、
これが現実に可能になったのかもしれない、と。
…いや、実際、SFで実現しているようなテレポーテーションは
まだできないんですがね。
今回の話で瞬間移動が可能になるかもしれないのは「情報」です。
現在の物理学には、
どんなモノであれコトであれ、光の速度を超えて移動することはない、
という大前提があります。
もちろん情報でも、です。
現在私たちが使っている通信というのは、
結局電線や電波などを使用して電磁波で実現している。
この電磁波も光速を超えることはない。
ところが、量子力学の考え方を応用すると、
この光速を超えた情報の伝達が可能になるというのですな。
ある粒子が崩壊したとすると、
そこからスピンが正反対の素粒子が2つでてきます。
一方が右回りだとしたら、もう一方は左回り、ということ。
これは、どちらの粒子も同じひとつの波動関数で記述される為ですが、
この関係は、粒子がどんなに離れていても保たれます。
例えば、今の宇宙の端と端に生き別れになっていたとしてもです。
これでどういう話が出てくるかというと、
一方の粒子のスピンを知ることができれば、
離れた位置にあるもう一方の粒子のスピン状態を知ることができる、
ということ。これは瞬時に分かります。
それが決まった瞬間に分かるのだから、
まさに瞬間移動。
…移動という言葉がふさわしいかどうかは置いといて。
これがですね。
意図的にその粒子のスピンを決めてやれば、
もう一方のスピンも決められる、ということにもなるんですね。
つまり、これを利用して通信できるんじゃないの?てことですよ。
もしこれが実用化すれば、
今の電気通信をこの量子テレポーテーションで置き換えてしまって、
とてつもない速さ、量の情報処理が可能になると考えられる。
ちょっと考えるとわかると思うけど、
これって、結構おそろしいことだったりするんですけどね…。
とりあえず、人のプライバシーなんてないも同然になちゃいます。
現状のままだとね。
それはさておき、
この量子力学の性質は「エンタングルメント」といわれているものです。
量子の絡み合い、と訳されているみたいですね。
この性質…
実際、この宇宙のそこかしこで現れているはずのものです。
粒子が崩壊するなんてことは日常的に起こってるし、
それによってたくさんの絡み合った粒子が生成されている。
ブラックホールなんかでも、片割れがブラックホールにおちて、
相棒だけ外に出てくるってことも起こってます。
(それでブラックホールの中身がわかるんですかね)
何となく、これって素粒子の本性というか、
実は粒子ではないストリームが宇宙には存在してるんじゃないか、
と思える現象という気がするんですよね。
量子という概念自体も、それを記述するのは波動関数であって、
それが粒子であったり波であったりしているわけだし。
それが「ひも」かヒッグスフィールドかはわかりませんけど。
やっぱりね。
一歩今の力学から出て考える必要はあると思うな、と。
今回のようなニュースを見てしみじみ思うわけです。
ま、「科学技術」という意味では、
その理論を実用化する分には今の力学で十分かもしれませんがね。
例えば、自動車を動かすのに量子力学は必要ないしね。
ニュートン力学で十分。それと同じ。
ただ、コンピュータは、量子力学を知っていないと動きません。
同様に、今の力学体系では知ることのできない真理、
もっと高度な知識体系がないと、
人がたどり着けないものがまだまだあるのは確かでしょう。
コメント
人間も瞬間移動できる。
東大が粒子は瞬間移動が可能とのレポートをしたみたいですね。
東大に協力してもいいよ。
粒子の見方も指導するよ。