8月15日は第二次世界大戦が終わった日です。しかし、人間社会で戦争というのは止むことはなく、ずっと続いていると思う。
今の世界は「見せかけの平和」でラップされている。
アメリカ、ロシアなどの超大国はもちろん、その他の国家も皆、人を大量に殺す道具をその手に持ってる。お互いに銃口を相手に向けて、緊張と均衡を保っている。
平和を目指すの世の中において、人を傷つけたり殺したりするような兵器は不要なもの、それは確かにその通り。だけど、それをいったん誰かが持っちゃった以上、二度と手放すことはできないのよね。
国というのは、常に他国から侵略される脅威にさらされている。これは、自国に他国を侵略する意思があるないに関わらず。
このことは、人間社会で犯罪が決してゼロにはならない理屈と同じ。他の誰かに危害を加えて自らの利得にしようとする人というのは決していなくなることはない。そうする動機は、貧困だったり、怨恨だったり、生きるためにやむを得ずやってしまうものであったりするかもしれないけど、そうした動機が生まれる原因が世の中から消えてなくならない限り、犯罪もなくならない。そして、その原因を世の中から消すのは不可能に近い。人というのは、いろんな理由で他者を恨んだり、略奪したりする生き物なのよね。
国もそれと同じなのよね。国際社会において、現状に何も憂いがなく他国に対する恨みや憎しみが何もない国ばかりなら良いんだけど、現実にはそんなことはない。お金がない国は、他国から略奪しようと考えるかもしれない。より大きな国を目指して他国の領土を奪ったり、資源や地政学的優位を獲得しようとするかもしれない。過去の侵略による恨みや、宗教的対立から他の国や民族に恨みつらみがある人たちも多い。そういう思いは一朝一夕で消えるものではない。なので、守る側の国としてできることは、可能な限り武装して、他国からの侵略に備えるしかない。或いは、威嚇して他国からの侵略を抑止するしかないわけです。
この力関係の均衡が崩れると、いわゆる侵略が起こるわけで。
戦争はしないに越したことはない。そりゃ当然なんですよね。少なくとも、他国に侵略していく意思が皆無の日本人はほぼ例外なくそう考えてると思う。ただ、兵器を持たなきゃ平和が保てるかといえばそれは違う。むしろ、兵器を持たないと平和が保てない。それは、日本以外の国が強力な兵器を持っているから。今は日米同盟の下、米軍が日本各地に駐留していて、その巨大な軍事力によって他国(主に中国、ロシアなどの隣国)からの侵略を抑止している状況と考えるべき。本来、日本は自国だけの力(自衛隊など)で侵略抑止をすべきなんだけど、第二次大戦における敗戦国ということで、その戦後において積極的な軍備増強ができない状況にある。だから、事実上、日本は米国に守られている状況なんですね。
武装解除すれば平和になるか。そんなことはない。現に日本の国境付近では、領空、領海侵犯、或いは接近が日常的に発生している。主に中国やロシアが日本の国境付近で牽制しているわけだけど、あれは、日本が国境を監視しているかどうか試してるのよね。今のところ海上保安庁や自衛隊が頑張ってくれていて、領海侵犯があれば退去警告したり、領空侵犯があればスクランブル発進して追い返したりしてる。もしそれがなかったら、彼の国はどんどん日本の領域に侵入してきて、そこが自国領土(領海)だと主張してくるでしょうね。
そして、海保や自衛隊が頑張れているのは、実際のところバックに米軍がいるから。日本の国境監視によって米軍が出てきたら、相手の国も(今は)勝てないことを知っているから引き下がってくれている。もし米軍がいなかったら、もっと強行に侵入してくるだろうことは想像に難しくない。それは、例えば中国がフィリピンやベトナムなどの国の領海にどんどん入っていって海洋開発までしてることからもわかる。そうした国々は、中国に対抗する軍事力がないために好き放題されてるわけで。
兵器を持つ=戦争になる、ではないという認識は大事。むしろ、他国からの脅威を無視して「軍事力を持つべきでない」というようなことをいってる人は、他国からの侵略をやりやすくしようとしている人かもしれない。もし、中国やロシアが武力放棄してくれるなら、そのときは日本もそれを考えても良いと思うけどね。