脱サラ

小学3か4年生くらいの頃、“秘密基地”というもの(響き?)に憧れて、友達と数人でいろんな場所を秘密基地にしていた。物置きの天井裏とか、トラクター格納庫の奥とか。そのうち既存の部屋を秘密基地にするだけでは飽き足らずに、自分達でベニヤ板やビニールシートを駆使して小屋っぽいものを建てたことがあった。
小屋といっても、板を四角くコンクリブロックで支えて、それに屋根となる板をかぶせただけのもの。押せば倒れるようなシロモノである。それでもその中には、子供なら2、3人は入ることが出来て、その中で「すげーすげー」と騒いでいた。丁度その頃は冬の雪が深い季節で、雪が“秘密基地”の上に積もったのだが、それでも頑張って立っていたので、やはり「すげーすげー」と騒いでいた。
そんなことをするのが、とにかく楽しかった。もしかすると、今の私もそういうものを求めているのかも。
毎日、上司に言われた通りに仕事をする日々。自分の意見と違っていても、上司のいう通りになければならない。会社の(というか、一部の上司の)基準で、自分という人間が評価されてしまう切なさ。それなら、自分の好きなことを自分の価値観で自分の思うようにやって評価されたい。それでダメなら、それでいい。納得はいく。
自分でつくった“秘密基地”に、人が数人入れて、雪にも耐えられた。それは、自分の意思と手でやった結果だったから、心から楽しいと思えたんだろうなぁ、と。
脱サラしたいな。

タイトルとURLをコピーしました