技術立国

H-IIA打ち上げ成功。
これで日本から宇宙開発が消えずにすんだ。なんとか、首の皮一枚か。
巷では、また日本がスケールのちっちゃいロケットを上げたんだな、程度に思っている風もあるようだが、それはとんでもないのである。あのH-IIAというロケットは、スケール的には米NASAのスペースシャトルに匹敵するロケットだ。(ただ、シャトルではないが)
日本は特に液体燃料を使用したロケットエンジンに関しては、世界でもトップレベルの技術を持っているらしい。
昔、ロケットには、安価で設計も簡単な固体燃料エンジンがよく使われたのだが、固体燃料エンジンというのは、いっぺん火をつけたら、燃料が燃え尽きるまでフルパワーで爆発しつづけるしかない。調節が効かないということ。それでよくいわれることが「あれはロケット花火そのもの」ということである。
それに対して液体燃料エンジンは、燃料を混ぜる具合を加減することができるので、パワーが調節できるのだ。ただ、便利なだけ設計や開発も難しい。あのH-IIAに積まれているメインエンジンLE7は、その液体燃料エンジンであるわけだ。まさに日本の宇宙開発技術の結晶といえる。
毛利さんもいっていたけど、あのロケットは世界トップレベルの技術力で打ち上げた、という言葉は、決して言い過ぎではない。難しいから失敗するのである。簡単なことなら、実現して当然なのだ。難しいことを実現するからスゴイのである。

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