参議院選挙の特番をやっているとき、
例のごとく話題の議員がスタジオに呼ばれ、
そこで政策の議論を始める。
そんな中で、自民党の鈴木宗男議員が、
「マスコミは、派閥だ派閥だというが、
そんなものはこの選挙では関係ない。
党が一体になってやっている。
一体何処に派閥が動いているのか。
マスコミのでっちあげだ」
といったようなことを云っていた。
確かに、以前の自民党は、
多数を占める現橋本派が主導で党全体、
ひいては政治を動かしてきたのだが、
今の小泉内閣にそんな風はあまり見られない。
小泉氏の改革に大派閥が反対してるのでは?
というのは、今のところ憶測でしかない。
これがマスコミによって、実しやかに報道されているから、
ああ、派閥ってまだあるんだな、と、受け側も思う。
まぁ、派閥自体はあるんでしょうけど。
この間、プロジェクトXで「広辞苑」の回をやった後、
NHKが視聴者から強く抗議されたという。
番組では、広辞苑の前の「辞苑」について
全く触れられていなかった、というのだ。
広辞苑は辞苑がもとになって作られたものであるはずなのに、
それを無視して、広辞苑の作者がとても偉大で素晴らしい
という風なまとめ方は言語道断というわけね。
もしこれが、番組制作陣も辞苑の存在を知っていて
あえてそれに触れなかったのだとしたら、
そこに何か恣意的なものが働いたのではないかと勘ぐる。
つまり、広辞苑の作者の偉大さをより強く印象づける、
そういう効果を狙ってその前身を隠したのだとしたら
真実を伝えるべきドキュメンタリー番組としては失格だ。
これは一種の印象操作、そして情報操作といえる。
マスコミをどこまで信頼して受け止めていけばよいのか。
いや、まずは疑うべきなのかもしれない。
疑って、自分で考えて、判断するべき。
本来、その判断材料を提供するのがマスコミの役割なんだけど、
そこの信頼性が揺らいでいるのが如何ともし難い。