難問

帰りの電車に日能研の貼り紙があった。
有名中学の入試問題が出ているあれである。
見つけては国語とか社会科とか、いつも結構悩む問題ばかりだが、
今日の理科の問題は簡単だった。
セミとミツバチとトンボとチョウの4種類の昆虫の
頭部と羽根のアップの絵があって、それぞれを照合するというもの。
また、触ると粉のようなものが指につくのはどの羽根か?
というような問題もあった。
いつもの調子と違って、これは簡単過ぎない?
そう思った直後、ああ、と思い直した。
そう、これは今の子供に向けた問題である。
そしておそらく、今の子供たちは、そういう野生の昆虫に触れる
というような機会はあまりないだろう。
そうなると、どの頭がどの昆虫で、その羽根はどれか、
という問題は、経験ではなく、
あくまで「理科」という教科の知識としてあるものなのだろう。
何しろ、カブトムシが死んだのを見て電池を交換しようとするとか
そんな子供がいる時代である。
そのへんの知識、というか感覚自体のズレがあるのかもしれない。
なるほど、そうすると、この問題は難問かもしれない。
何しろ経験にないものを言い当てなければならないのだから。
仮に、幸運にもそれらの昆虫に出会ったことがあったとしても、
その顔のドアップまで観察している子は少ないだろう。
私など、もう”虫と暮らしてきた”といってもいい状態である。
(ナウシカかよ)
そういえば、最近、ゴキブリと蚊以外の虫を見ない。
実際は今もその辺にいるのかもしれないが、
これも周囲の観察力が低下した為か、などと思ったり。

タイトルとURLをコピーしました