親切か否か

駅のホームに上がる階段を降りていくとき、
下から大きな荷物を引きずって登ってくる年配の女性が。
その後ろから勢い良く登ってくる中年くらいの男性がいて
そのまま女性を追い抜いて行くかと思いきや、
追い越しざまに女性が引きずってる荷物を持ち上げて
階段の上のホームまで運んで行った。
無言で。
女性は最初びっくりしてたけど、
荷物を運んでくれたんだと知って嬉しそうにしてた。
これ、下手すればひったくりなんだけど
私からみれば、無言で荷物を運んだその人が男前にみえた。
「持ちましょうか」
なんて訊くのもヤボ。
いくら大変でも「お構いなく」という人が大半じゃないだろうか。
そういえばちょっと前、
駅の一部が工事中で、スロープにちょっと段差できていて
そこを登るのに難儀そうにしてた車椅子の人がいたんだけど、
それを見かねた若い女性が
「押してもよろしいですか?」
と訊いていた。
「押して差し上げましょうか?」ではなく「よろしいですか?」
まるで自分の方が助けを請うような疑問形だけど、
実際それで助けられるのは車椅子の人の方でしょう。
これは、もしかするとその車椅子の人は
自分の力で困難を乗り越えようとしているのかもしれない。
或いはリハビリのような状況なのかもしれない。
そこで親切の押し売りのようなことをしては悪いかも?
ということから出てきた言葉なのかもしれないけど、
こういうところに人柄ってのも出るもので。
あの女性は、もしかすると看護師か介護師か何かなのか。
ああいう気遣いができる人も、世の中そう多くないと思う。
でも、親切のつもりが余計なお世話だったりすることも
意外とあったりするのかもしれない…。
たとえ本人は良かれと思っていても。
階段で無言で荷物を運んだ男性と、
スロープで許可を得てから車椅子を押した女性。
同じ親切心から出た行為に変わりはないけど、
何か対照的なものを見たような気もしたり。
これはちょっと特筆すべきと思ったので、書き留めておく也。

コメント

  1. makiko より:

    どちらも素敵です。そういう心が柔らかな女性になりたいし
    そんなオトコマエの男性にあこがれます。

  2. 月影 より:

    実際、他人に助力するには、自分自身にもある程度の余裕が必要だったりするんですよね。自分のことだけでいっぱいな状況を、まずは何とかしたいものです。[E:bearing]

  3. makiko より:

    そういう気持があるだけでも、心にゆとりがあるのかもしれません~(お忙しくて、時間的には大変そうですが・・・)

  4. 月影 より:

    忙しいわけじゃないんですがね。いや、忙しいのか…?

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