事業仕分け?

病気とは、現世に張られた見えない弾幕のようなもので、
我々生物はそれをかいくぐって何とか生きている。
或いは、何度かその凶弾に倒れてはいるものの、
残機があるだけ個としての精神は延命されている。
この理屈が理解できた人、結婚してくれ。
さて、ミンス流の事業仕分けが始まってますね。
一般にも公開され、ネット中継もされて
ムダとされる事業の可否を議論するということで、
ある意味、国政のガベージコレクション的役割を
果たしてくれるのかな?などと、淡い期待を持って
見守ってたんですが。
ここまで見た感じ、ひとことでいうと
これは「ママゴト」ですね。
まず第一に、やっぱりミンスの格好つけポーズにしか
なってない、そうとしか思えない理由が、
高速道路無料化とか、子ども手当てとか、そのあたりが
仕分け対象に入っていないということ。
マニフェストに書いておけばムダではないんですかね。
議論しなくて良いんですか。
というところから始まり、「仕分け人」たちの態度が、
最初から「不要だ」という結論ありきで臨んでいる、
あのマエナントカ国交相の分身みたいな人が集まってる感じ。
府省の担当者も担当者で、大体説明が要領を得ないし、
その事業が必要だと説得するには、力不足というか、
材料不足という感想をもたざるを得ない。
これじゃ、私たち大衆ですら首を傾げたくなるし、
まして上のような姿勢でいる「仕分け人」たちには
杯水車薪というか、馬耳東風というか、牛の角に蜂というか。
そもそも、この仕分け対象に選定された事業というのは
不必要、ムダだろうということで選ばれたという経緯もあり、
基本的には切る方向の話にはなるんだろうとは思いますが。
その前に、この仕分け対象の選定基準が明確でない。
ざっと眺めてみるに、その成果がみえにくい、
或いは、切ってもあまり当たり障りがないだろうと
見込まれる事業が選ばれている感じ。
ゆえに、担当者も説明しづらい、成果や結果が出せないので
説得力がないということになるんだろうなと。
でも、だからといって安易に止めてしまって良いのか。
結果や成果がみえにくいからこそ、
綿密な現状調査と、実際の事業の現場と、それらを踏まえた
深い議論が必要になってくるんでしょ。
であるのに、今回行われている事業仕分けは
1事業につき、たった1時間しか議論されない。
しかも、というか、そうして時間が無いために
担当者も仕分け人も相手の言うこともほとんど聞かず、
とにかく自分の言いたいことしかいわない。
水掛け論ですよ。
こんなんじゃ、事業仕分けというより、
府省対ミンス(と、その仲間たち)の単なるトークバトル。
これ、なんていうしゃべり場?
(ちなみに、私はあの番組、好きになれなかった。)
ミンスは、英国の政治手法をかなり好んでいるようだけど、
その英国の事業仕分けというのは、仕分け対象事業の選定にも
1年以上かけて議論されたという話。
当然、仕分け作業自体はもっと時間をかけてるでしょう。
それが、ミンス政治の場合、何だかよくわからないうちに
いつの間にか447事業選定されて、たった1時間の話し合いで
廃止や見送り、或いは大幅見直しなどに追い込まれてる。
というか、最初から切るつもりなんだけど、
いきなり切ったのでは国民の理解を得られないだろうから、
とりあえず「事業仕分け」というポーズをとってから、
議論したという既成事実をつくって削ろうということでしょ。
今回選定された事業の中には、
スパコン開発やIT技術系の学術研究や開発関連の予算も
いくつか含まれてるんですが、成果がみえづらい、
直ぐに産業につながらないようなものは、
不要不急という理由で、十中八九削られるでしょう。
でも、学術研究なんてのは、だいたい不要不急なんだよね。
でも、削っても生活に直接響かないということで、
仕分けやる側にしてみれば、一番切りやすい対象。
他にも、地方の予算とか、国防や外交に関わる予算とか、
シロウトが寄って集ってたった1時間で決めてしまっていいのか?
という事業も何点か。
事業仕分けという手法自体は、悪いとは思わないですよ。
実際それで成果を上げている国や自治体もあるしね。
ただ、今回のミンスのは、どうもいただけない。
自分らで予算を膨らましておきながら、
その膨らんだ当の原因を仕分け対象に入れないで、
つまり、切りたくない事業は聖域においといて、
切りたい事業だけを結論ありきで槍玉にあげる。
これは「事業仕分け」とはいえないでしょう。
途中段階で感想をいうのもどうかと思ったけど、
その途中経過も目に見えるものとしてShowされているので、
とりあえず、今の時点における感想を書いてみました。
ところで鳩さん、今日はオバマさんと会えてご機嫌みたいだけど、
彼の内閣支持率は50%後半あたりまで下がってるようね。
それでもまだ高いんだけど。
てか、マスコミが実施してる世論調査なんてのは、
そもそも全幅の信頼がおけるわけじゃないからなぁ。
今は見守ってる段階なのかもしれないけど
鳩さん、会見やら答弁やらで怪しげな発言を連発してますよ。
それをマスコミがほとんど騒がないのはどういうわけですか。
麻生さんのときは、漢字読み違えただけで大騒ぎしてたのに。
どうも、今の日本、おかしい。
そう思うのは、私の頭が古いせいなんだろうか。
ああ、おかしいのは私の方ですか。そうですか。

コメント

  1. [E:nosmoking] 次世代スーパーコンピューターが事業仕分けで見送られるようでは、夢も希望もない。
    ノーベル賞受賞者が怒るのも無理は無い。
    民主党の蓮舫のような科学技術に無知で、日本の将来に無関心な人物が仕分け人では、致し方ないこと。
    毎年2.5兆円の税金を使う高速道路無料化は、無駄な予算であるから、事業仕分けによって廃止してもらいたい。

  2. yutakarlson より:

    ■仕分け、スパコン補助金「限りなく見送りに近い」―事業仕分け結局は、巨大ブーメランとなって、民主党の命脈を絶つか?
    こんにちは。事業仕分けは、あまり意味がありません。企業経営でいえば、プロモーションばかりやって、マーケティングをしていない会社のようなものです。民主党の幹部は、そういう会社の幹部のようなものです。まさに、事業仕分けは、前政権の無駄(本当に無駄かどうかは別問題)を公表し、手っ取り早く民主党が国民のために活躍していることをアピールするための販促活動のようなものだと思います。長期にわたる国家ビジョンなしに、事業仕分けをしたとしても、根本的な問題の解決にはならず、かえって混乱するだけです。この事業仕分け、結局は何も解決にならず、ますます、国民に不満感、閉塞感をもたらし、結局は巨大ブーメランとなって、民主党の命脈を絶つことになるかもしれません。詳細は、是非私のブログをご覧になってください。

  3. 月影 より:

    生活に関係ないもの、実用的でないものは不要という考え方で何でも切っていってしまうと、国して、むしろ人としての進歩の糧も失ってしまいます。ただ生きているだけでは、刑務所にいるのと一緒ですからね。
    財政が厳しいのは今にわかったことじゃなく、政権交代が起こる前からずっとわかっていたこと。それを知りながら、さらに膨大な財源が必要となる政策を次々と打ち立てる神経の方が理解に苦しむ。ムダ削減しても焼け石に水じゃないかと思わざるを得ないです。

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