昔話

ベルリンの壁が壊れてから20年だそうです。
20年て。
あれは、結構自分の記憶の鮮明なころの出来事で、
20年前の話を普通にできる歳になってしまったんだなぁ
と、ニュースとは別な方向に感慨を覚えてしまうのです。
だってね、自分が小学生とか中学生とか
そんな頃に両親や祖父母から聞かされる昔話といったら
大体20年前とか、せいぜい30年前とかだったんじゃないか。
つまり、“昔”という言葉がまさにその通りの時代の話を
自分自身が語れる歳になってしもたってことですよ。
子供の頃は、大人ぶって得意げに「昔」という言葉で
自分の体験を語ってたりしたもんですが、
子供が「昔さぁ」とかいったところで1、2年前がいいとこで、
そんなの昔でも何でもねーよって話ですよ。
本当は、もっと過去、明治時代、江戸時代、旧石器時代、
さらに中生代、古生代、先カンブリア期とか、ビッグバンとか
そんな頃の話を“昔”というべきなのか。
一般的に、“昔”と呼びやすい、違和感ない期間というのは
どのくらいなんですかね。
「まんが日本昔話」とか、ああいう話の時代というのは
大体江戸時代あたり、それ以前の話が多い感じだったので
そのへんが一般的な“昔”なんだろうか。
でも、明治時代、大正時代とかでも、十分に“昔”だ。
昭和になれば、だんだん近代、現代という感じがしてくるけど、
今じゃ昭和でさえ昔でしょう。
日本の場合、第二次大戦前後で時代を区切る習慣もある。
マスコミなんかは「戦前」、「戦後」という言葉を好んで使うし、
実際その前後で国の内情は一変してるしね。
私の親世代になると、多分「戦前」がいわゆる“昔”で、
戦後は自分たちの時代、つまり現代、今!ということになるのか。
私たちにしてみれば、戦後でもまだ“昔”。
その時代の文化というものを感じられるようになって、
社会の中の自分の位置というものを考えられるようになってきたのは
大体1980年代後半から1990年代ってところかなぁ。
ベルリンの壁が壊れたのは、ちょうどそのへんなのね。
そして今年は平成21年。来年は22年。
平成生まれの人も普通に成人してたりする時代なのよね。
冷戦も、ロンヤスも、PC98も、ファミコンも、グリコ森永も、
ロス五輪も、余部鉄橋事故も、フライデー殴り込みも、
千代の富士も、RCカーグランプリも、8時だヨ全員集合も、
おニャン子クラブも、スケバン刑事も、アラレちゃんも、
YMOも、TM NETWORKも、あれもこれもそれも、今は昔。
そりゃ、壁が壊れたのも昔話だわ。

コメント

  1. RORO より:

    10年一昔前って言葉があるから
    昔ってのは10年単位だったりして

  2. 月影 より:

    10年前というと、私の場合、もう既に学生でもなかったんだなぁ。
    何かチクショー!

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