Vistaが売れないわけ

桃の節句も過ぎましたな。早くね?
マイクロソフト、「Vista」小売価格の値下げを発表
ZDNet Japan
これもまたなるべくしてなった流れでしょうな。
でもね。
これはパッケージをいくら値下げしても、
Vistaの場合、あまり売れ行きは変わらんと思うのです。
VistaというOS自体を純粋に評価すれば、
おそらくXPなんかよりずっと機能も上だし、
セキュリティもユーザビリティも格段に上がってるはず、
なんですが。
XPが発売されたのが2001年だから、
それから7年越しの時期バージョンだもんね。
当時前提されていた技術からしてみれば、
今ある技術の方が進んでいるのは確か。
そのVistaが不評なのは、
グラが重いとかOSだけでリソース食いすぎだとか、
いろいろ不満の声は上がってますが、
私が思うVistaが売れない一番の原因は、
従来のWindowsにあった互換性が失われていること、
じゃないかと思うんですよね。
要は、XPまで動いていたソフトがVistaでは動かない。
そんなケースがかなり多い、
というか、基本的に従来のソフトは動かねーよ?
というポリシーで開発されたみたいなところもあって、
そこが一番クリティカルにユーザの不評を買ってるんじゃないか。
XPって、さりげなくWindows95のソフトまで
エミュレートなしで普通に動いてたりしてるんですよね。
デバイスドライバの類も、WinNT系(2000とか)のものが、
XPでそのまま使えたりする。
だから、OSをWin98や2000なんかからアップしても、
それまでのソフトやハードがそのまま従来通り使えて、
比較的スムーズにOS移行できてるところがあった。
ところがVistaときたら、バージョンアップしたら、
酷いときはドライバ系は全滅だったりするらしい。
そりゃ萎えます。
多分、動きが重いとか、メモリ使いすぎとか、
そんな問題は今のハードの性能をもってすれば、
難なくクリアできる問題だったりするんです。
それって、どういうことか。
今、新規にWindows PCを購入する人であれば、
メモリ1GとかCPUもCoreDuoとかアタリマエの時代なので、
おそらくVistaはベストな選択肢なんですよ。
ただ、既にPCをある程度使ってる人で、
その今使ってるOSをバージョンアップする、という場合、
Vistaは悪夢。
まずメモリは買い足さないといかんし、
場合によってはHDDやグラボなんかも強化しないといかん。
CPUも変える場合、マザボが対応してる必要があるので、
そうなると、自作機でもお手上げ状態。
ギリギリ必要スペックを満たしているPCだったとしても、
バージョンアップしてみれば、
プリンタとかスキャナとかハード全部使えなくなったり、
それまで愛用してきたソフトがVistaで動かなかったり、
OS自体は何とか動くもノロノロでんでん虫状態だったりと、
悲しい物語がいろいろ待ち受けているわけです。
ソフトウェアというのは、多くの場合
過去の遺産というのは足かせだったりするので、
そういうのは全部脱ぎ捨てた方が良いとは思いますがね。
気持ちはよくわかるけど。
これね、“Windows”と唱って発売したからいかんのじゃないか。
Windowsは、もっと軽めのOS路線で走って、
次世代向けにVistaというOSを別枠で出せばよかったんじゃないか。
WindowsではなくVistaを選んだ、ということになれば、
ユーザの能動的購買欲由来になるので、騙された感はないでしょ。
Winは過去にDOS系とNT系を分けてたんだけどね。
折角XPで統合したのに、また分割したくないのかどうなのか。
少なくとも、私の今のPCのスペックでは、
おそらくVistaは動かない(動いても使えない)わけで、
その時点でパッケージのVistaを買う、
という選択肢はなくなっているわけです。
新しいPCをつくるか買い換える、となれば、
当然Vistaも視野に入ってくるんでしょうけどね。
てか、新しくつくるならもうLinux系でも良いけどね。
(Macは、ちと高い。)

コメント

  1. RORO より:

    会社のPCの選択として、うちの場合Vistaは絶対無いです・・・。
    Canonの複合機が、Vistaだと動かなくて苦労しました><
    業者まで呼んで、直してもらおうとしましたが、現状、どうしようもない不具合らしくて、謝りつつ、逃げていきました・・・。
    人柱として、Vistaマシンを使わされてる、おじさんは
    「なんで、俺のだけ、さくっと印刷できないの?」と
    うなっております。(T-T

  2. 月影 より:

    なぜみんな文句をいいつつもMacでなくUNIX(Linux)でもなくWindowsを選択しているか、ということを考えたとき、今世の中に流通しているリソースの多くはWindows向けだから、というのもひとつの要因だと思うんですよね。Vistaはその流れを止めてる気が。。
    今積極的にVistaに対応しようとしてるベンダってあんまりない気がしてるんだけど、どうなんでしょ。

  3. ぬたっち より:

    月影さん、こんばんは。
    ブログにレスさせてもらうのは初めてですね。
    Windows3.1(NT3.5)から使っていた僕の感覚からすると、VISTAが売れないのは実に単純な理由で、XPを基準にした場合、特に期待するものがない、のではないかと思います。
    XPが発売された時、その時のDOS系Windowsは悪名高いMEでした。MEはPCのド素人から見てもウンコOSで、次世代Winが強く期待されてましたよね。しかもXPはNT系との統合ってことで、その期待感は増幅されていました。(今考えると、MEはXPを売るための戦略だったのでは…)
    一方、VISTAにはそういう期待がありません。
    CPUの進化はここ3年ほど止まったままですし、3年前のPC+XPでも、ネットとOFFICE系ソフトは十分スムーズに動きます。
    おまけにXPの時は「これからPCを始める」って人もまだまだいて、ユーザーの絶対数も拡大傾向にありましたが、今は殆どが買い替えですよね。
    そりゃ今まで通りの勢いのままには行かないだろうな、とは思います。
    かくいう僕がこの間買ったノートPCはVISTAマシンですが…。

  4. 月影 より:

    ぬたっちさん、おひさしです?といって良いのか。
    私のPC歴もずっとWinですが(初めて触れたコンピュータはUNIXだったけど)XPの出る頃は、私の場合は2000だったので、あまり乗り換えの必要性は感じてなかったですね。当時のPCスペックで考えるとXPはやはり重めでした。
    私がXPを導入したのは、自作機をつくったときに入れるOSを買う段で、時代がXPだったから、という成り行きだったんですよね。もしそのとき、XPと2000の互換性が皆無だったとしたら、時代がXPでも2000のままだったと思います。幸い、2000で使ってたソフトやハードはXPでほぼそのまま使うことができました。
    というのが私の経験なので、今回Vista低迷はそこらへんにも理由のひとつがあるじゃないかな、という話です。

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