ペースメーカ

ついに夏休みがとれなかったので、
この3連休で無理やり実家に帰ってきております。
普段ならこんなに頑張って帰省したりしないんですが。
(いつもなら、忙しい年は大体帰省をあきらめてた)
盆くらいにうちの母親がまた手術をしたと聞いて、
年齢的にもいつ何があってもおかしくない歳になってきてるので、
ちょっと今回は無理やりにでも顔をみせとこうと思って
2泊3日というスケジュールで帰省に踏み切ったのです。
帰ってみれば、まぁいつもと変わらず。
無理して気丈に振舞ってるだけなのかどうかはわからんけど、
どちらかというと子供にも心配させたい系の親だし、
そんな頑張ってもなさそうだなと。
前にも書きましたが、
うちの母親はちょっと心臓を患ってます。
で、お盆前くらいに病院で定期的な検査をしたときに、
心不全の一歩手前という不整脈がみつかったらしい。
えらいことです。
それで緊急手術となって、
心臓ペースメーカを入れることになったのですな。
ペースメーカ。
よく電車の車内放送なんかで聞いてた言葉なんだけど、
そいつがこれで一気に身近になった感じで。
携帯電話がペースメーカに悪影響を与えるなら、
もううちの母親は携帯は使えないのかな、と思いきや
普通に友達に電話してたり。
いや、聞けば「普通に」ではないらしいんですがね。
ペースメーカというのは、
大抵肩から首筋あたりに埋め込むらしんんだけど、
そこに携帯を近接させてはいけないということらしく、
そこから20センチ以上離して使わなければならない、
という制限はあるらしい。
なので、通話するときは
ペースメーカがある側と反対側の耳にあてる、ってこと。
この機械は何をする機械なのかというと、
その名のとおり、心臓の鼓動のペースをつくる
という仕事をします。
それ以前に、不整脈というのは、
心臓の鼓動のリズムが崩れること、というより、
心臓の拍動がときどき抜けること、ですね。
心臓はどうやって鼓動しているかというと、
洞結節という心臓付近にある器官から電気信号が発せられて、
そのタイミングで心筋が収縮する、という仕組み。
この信号が常に一定間隔で発信されていればいいんだけど、
洞結節の調子が良くなかったり中継がうまくいってなかったりすると、
その信号が発生しなかったり、心臓まで届かないことがある。
そこの拍動が抜けるのですな。
これが不整脈のメカニズム。
そういう症状のある人はペースメーカーをつけることになる。
ペースメーカというのは、
要はその信号を洞結節の代わりに発生させる役割を担います。
ただ、常にその信号を発信するわけじゃなく、
洞結節や中継が心臓にうまく信号を届けているうちは
ペースメーカは休止しています。
で、本来電気信号が発生するタイミングで
その電気信号が発生していないのを検知すると
(つまり、不整脈を検知すると)
ペースメーカが代わって電気信号を発生させて、
抜けた拍動の分を補完するわけですね。
この心臓を拍動させる電気信号というのは、
実は身体全体で検出することができます。
健康診断などで心電図をとるときに、
胸や足に電極をつけますよね。
あれは、その電気信号がちゃんと出てるかどうかを
体外から検出してるわけです。
ペースメーカが不整脈を検知する仕組みも同様。
ここで携帯電話がなぜマズイのかというと、
携帯電話で通話時に出る電波ですな。
携帯電話の電波を
ペースメーカが心臓の為の電気信号だと誤認してしまうと、
本来信号を発生すべきときにちゃんと動かずに
不整脈が放置される状態になるわけ。
ただ、さすがに携帯電話で人が死んだ、
という話は聞いたことないですがね。
とにかく、誤動作する可能性がゼロでない以上は、
予想される限りの危険はできるだけ回避しておきたいと。
ちなみに、携帯電話以外だと
電子レンジも高周波の電磁波を発生するので、
同様に注意しないといかんらしいです。
無線LAN程度なら大丈夫みたいね。
私 「ペースメーカーの手術とか高いんじゃないの?」
母 「200万くらいだって」
私 「…」(それ、オレが払わんといかんのかな、やっぱり。。。)
母 「でも、タダだから」
私 「え?」
母 「ペースメーカーいれたら障害者一級になるって」
私 「そうするとタダなんだ?200万が?」
それは、私がこれまでの人生において初めて
お役所も良い仕事してるんだな、と思った瞬間でした。
(私が不勉強なだけ)

タイトルとURLをコピーしました