生命宇宙の世界(4)

みなさん、こんばんは。
徐々にトンデモっぷりを発揮していこうかと思うわけですが、
その前にもうちょっと地に足をつけていたいかなということで、
今回は、自然科学の最高の道具である数学について語ってみます。
数学。
…というからには“数”の学問ですわね。
モノを、ひとつ、ふたつと数えていく。
ただ、数学の起源をたどると、
数える、というよりは、
モノを測る(計る、量る)ための概念として導入されているようです。
(とりあえずウィキペディア参照。)
数というのは、何かを定量的に決めるときに便利です。
すべての基準となるべき概念、というか、
ゆるぎない「ものさし」となれるのですね。
リンゴが3つある
といえば、リンゴというものについて思う概念は人それぞれであっても、
3という数字は3でしかありません。
この数学を発展させると、
人間の頭では実際には理解しづらい(できない)世界も描くことができます。
簡単なところで“0”という数。
0というのは、何もない、という意味になるのでしょう。
でも、人間の脳は本当に何もないという状態を思考することができません。
さらに0より小さい値。負の数なんてのも出てきます。
実数ではなく小数、自乗して負になるという虚数、
他にも、現実の世界では想定しにくい数がたくさんあります。
今物理学の標準である量子力学などは、
まさにそういった数で組み立てられる世界なのですね。
いや、もはやそうした具体的な数ですらなくなっている…
私がモノゴトを数学的解釈ばかりに依存したがらない理由を、
ここにひとつあげますね。
量子力学は、
ハイゼンベルグの運動方程式というもので描くことができます。
それはこんな形をしています。

これは、時間(t)に応じて変化する物理量(A)を、
ハミルトニアン(H)という行列を使って記述したものです。
この交換関係は、量子力学の考え方の基礎になってますね。
一般に、これは行列力学と呼ばれています。
難しいっすねぇ。
ま、ここでは「こういうのがある」とだけ分かっておいて…
実は。
量子力学を表現する方程式はこれだけではないのです。
もうひとつの量子力学。
それはこんな形をしています。

みたことのない記号はおいとくとして、
これもやはり時間(t)に応じて変化する物理量(ψ)を、
ハミルトニアン(H)(厳密には、こちらのは正準量子化という処理が施されている)
を用いて記述したものです。
ご存知の方はご存知でしょうけど、
こちらは波動方程式といわれる書き方になってますね。
上記のはシュレーディンガー方程式として知られています。
量子力学というのは、
この行列力学と波動力学、2者が存在するのです。
しかも。
この2つの力学は“全く同じことをいっている”というのです。
ただ、記述の仕方が違うと。
面白いですねぇ。
ここが実証主義のプラトニックなところで、
結局、理論的に正しければ、
“その言い方はどんな風であっても良い”と主張するのです。
つまり、ここで、既に数学というものはあくまで道具であり、
数学の世界が具体的に実現しているわけではない、
ということを認めているわけですよ。
…というか、実証主義的な人にいわせれば、
実現されている結果より、
それを求める過程の方に着眼しているのでしょうね。
最初から。
地球が回っているのか、
地球以外の天体が地球の周りを回っているのか、
そんなことはどうでも良い。
…それが現代物理学の思想の基点になっています。
相対論然りですが、
重要なのは、そのような現象をどう記述できるか、ということ。

次回も、もう少しこのあたり、考えてみますね。

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